ざらめの咲о 『式日』

 
ざらめの咲о 1stミニアルバム、『式日』b0005281_19492731.jpg

聴きました

とってもうつくしいな、と
率直にそう思いました


そこにある唄たちは、
まさに彼女の名前の文字通り、
ざらざらしてて、途方もない痛みに溢れてて、
でも、とても甘くて、きらきらしています


「不協和音と呪怨と要らぬ愛情が籠った」ということですが、
そのどれもが、むしろ汚れなく純粋ですらあると、感じました



 ~ ~ ~ ~ ~

CD収録曲について

歌とギターによる弾き語りに、ときおり口琴や鈴などの音色があります
この音数が少ない構成は、とてもよい感じです

なにしろ彼女は、詩の言葉づかいと、それを伝える「声」がとてもすてきなので
言葉を、ダイレクトに感じられます

8曲入りミニアルバム、
「ミニ」とはいえ密度は濃いです



◇1曲目「魔法の飴玉」

傷ついてボロボロで、苦しくて苦しくてどこにもいけない、
そんな感情がフワリと浄化されるような優しい唄

でも単なる癒しの唄というわけでもない

この曲だけでももちろんすばらしくて、名曲と言い切ることができます
しかし、ほかの収録曲たち――
噛み付いてきそうな曲、棘だらけで触れると皮膚を切り裂いてしまいそうな曲たちと
一緒に並んでいて、互いにしっくりと調和しているというのは、すごいことです

ふつうは相反して共存するところが、そうではなく調和しているんだからね

その中にあって、この唄『魔法の飴玉』の本当のよさが、
また浮かび上がって来るんだと感じます


「死にたければ 勝手に死ねばいい
 でも生きようとするなら力になるわ
 背中を押すわ 光になるわ 手を引くわ

 魔法の飴玉あげる」

本当に傷ついたことがある人なら、この詩が歌っている本当の強さ、救いが、
心の奥深い部分にやんわりと触れてくることと思います



◇7曲目「二重想」

シンプルなコードで奏でられる一曲

明るい雰囲気だし、
関西弁で歌うのがカワユイので、いっけんスーーっと聴きやすくもありますが、
けっこうすごいことを歌っています

心と心のキョリとか、ATフィールド、はりねずみのジレンマ、
いろんなワードが浮かびますが、それを言ったからといって解決しない、
終わることがない絶望感を目の前に提示されているようです



◇8曲目「無題」

アルバムの最後を飾るのは、己の声だけを使ったポエトリーリーディング
歌詞カードには詞は載せていない
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しかし、そのひとつひとつの言葉が、はっきりと聴こえる
衝撃をもって強く伝わってくる、剥きだしの言葉
突き刺すような、痛みをともなった言葉
鳴り止まない悲鳴
でもそれが不快にならないのは、
身を切り裂きながらも言葉を紡ぎ続ける、
その行為が、とても清らかであるから

この世界が犯してきた罪
もはや、修復不能でどうしようもできないところまで至った傷
その傷や痛みを見つめることもない、この世界
『式日』で紡ぎだされている唄は、
そんな世界すべてを呪い、否定し、
否定しつくすことで初めて執り行える贖罪の儀式であり、
救いそのものなんだろう
 
 
 
 
 
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by dolmens | 2014-02-25 18:48 | ◆ 音楽と僕ラ (メイン) | Comments(0)  

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